トウガラシ

血行を促進、胃腸のはたらきを高める

トウガラシ
トウガラシ

辛み成分が体をあたためる

トウガラシ といえば、カプサイシンという辛み成分が含まれていることが知られています。

特に種の近くにはカプサイシンが多く含まれているとされていて、この含有量が多いか少ないかで個々の辛みが異なるといいます。

香辛料の中でも体をあたためる作用が強いのが、このトウガラシです。体全体の血行を良くしてくれるので、体が芯からあたたまって、発汗が盛んになります。

カプサイシンがエネルギー代謝を活発にすることによって体温が上昇し、発汗が促されるのです。トウガラシを食べると体が熱くなって汗をかきやすくなるのは、カプサイシンのはたらきによるものです。冷え性や肩こり、しもやけなどにも効き目をあらわします。

エネルギーの代謝を活発にさせるのは体脂肪の分解を促進するアドレナリンというホルモンで、効率良く脂肪を燃焼させることができるので、その結果、ダイエットにも効果的です。

体内に入ったカプサイシンは、血液によって全身に運ばれ、脳や脊髄といった中枢神経を刺激します。この刺激が副腎皮質に伝わって、アドレナリンが分泌されます。

動脈硬化、高血圧を防ぐ

末梢血管を広げ血圧を下げるはたらき、動脈硬化の原因となるコレステロールを減少するはたらき、心臓のはたらきを高め血圧の上昇を抑える、腫瘍ができるのを抑えるなどのはたらきもあります。

カプサイシンは、冷えによって起こる消化不良の改善に効果を発揮したり、消化器系にはたらいて食欲を増進させます。

また、胃腸の粘膜を刺激して胃液の分泌を促し、消化を助けて胃腸のはたらきを高めます。胃酸の分泌を調節して、胃潰瘍などの治癒の促進にもはたらくとされています。ただし、摂り過ぎは潰瘍部分を刺激することになるので気をつけましょう。

リウマチなどの痛みを緩和する

トウガラシ には天然の強力な鎮痛作用があるとして、昔から用いられています。

リウマチ、関節痛や神経痛、頭痛といった痛みに速く効くといわれています。

鎮痛作用のメカニズムについてははっきりと解明されていないようですが、痛みを軽減させるはたらきがあることは明らかです。

トウガラシ成分の入った外用薬や入浴剤などを使用することで皮膚の温度が上昇し血行が良くなって、症状の緩和に効果をあらわすものと考えられています。

トウガラシ にプラスすると効果的な食材

トウガラシ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

トウガラシ にはβ-カロテンが多く含まれているので、油で炒めると吸収が良くなります。また、にんにくと一緒に調理することで血行促進や抗酸化の効果が高くなります。

選び方

生も乾燥品も色が鮮やかで、表面に張りとツヤがあるものが良品。しわが入っているものは味も風味も落ちている。

保存法

トウガラシ  はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。乾燥品は、風通しのいい場所で保存。

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生姜 ( しょうが )

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ショウガ
ショウガ

辛味と香りの成分が血行を良くして胃腸を整える

血行を良くしたり、体をあたためる効果があることで知られる ショウガ ですが、実は栄養的にはそれほど期待できません。

しかしながら、 ショウガ のもつ香りや辛味の中には、たくさんの効能があります。漢方薬のほぼ全部にショウガが含まれているのは有名な話です。

トウガラシの特徴的な栄養素は、100gあたり、カリウム 270mg、マグネシウム 27mg、カルシウム 12 mg、ビタミンC 2mg。

ショウガ の辛み成分には、ジンゲロン、ショウガオール、ジンゲロールがあります。これらは、強い殺菌力をもち、吐き気を抑えたり、食欲を増進したり、胃液の分泌を良くして消化・吸収を助けてくれます。

また、適度な刺激によって血流を良くし、胃腸のほかの内臓の機能も活発にします。新陳代謝を促進させ、発汗作用も高めます。

ショウガ の皮のすぐ下には、たくさんの種類の精油が含まれています。これらが ショウガ のさわやかな香りのもとですが、辛み成分と同様に、健胃作用や解毒作用があります。

風邪を治す、体をあたためる

香り成分のガラノラクトンや辛み成分のジンゲロールには、せきやのどの痛みを緩和する効果があります。

さらに、寒さや冷えで細くなった血管を拡張させるはたらきがあって、血流が良くなり、血行不良による冷え性や関節痛、肩こりなどの改善に役立ちます。血流が良くなると血液がきれいになるので、発汗、排尿が促されて余分なものが体外へ排出されやすくなります。

また、シトラールやジンギベロールという香り成分には消臭作用があって、魚や肉の臭みの成分と結合して、においを抑えるはたらきがあります。

コレステロール値、血圧を下げる

ショウガ には、血中コレステロールを減らし、血圧を低下させる効果があることもわかっています。

辛み成分のジンゲロンが脂肪燃焼を促進し、高血圧やメタボリックシンドローム、心臓病といった生活習慣病を予防するのに役立ちます。

相性のいい食材

生姜は、料理に辛味と風味を加えるのに人気の食材です。また、抗炎症作用や抗酸化作用など、健康上の利点もたくさんあります。

生姜と相性の良い食材はたくさんありますが、その中でも特におすすめなのが以下の食材です。

  1. にんにく: 生姜とにんにくは、一緒に使われることがよくあります。両方とも料理に深みを与え、風味を引き立てます。
  2. 鶏肉: 生姜は鶏肉と非常によく合います。例えば、生姜を使った鶏の炒め物やスープは人気があります。
  3. 魚介類: 生姜はさまざまな魚介類料理にも使用されます。例えば、生姜焼きや生姜醤油でマリネした魚料理は、生姜の風味を楽しむ良い方法です。
  4. 野菜: 生姜は野菜との相性も良いです。炒め物やスープ、サラダに加えることで、料理に新鮮な風味を与えます。
  5. 米料理: お茶漬けや炊き込みご飯などの米料理にも、生姜を使用することがあります。生姜の風味が米飯に良いアクセントを与えます。
  6. 中国料理: 生姜は中国料理において重要な役割を果たします。例えば、生姜とねぎの組み合わせは多くの中国料理に見られます。
  7. インド料理: カレーや他のインド料理においても、生姜はよく使用されます。生姜の風味がスパイスと相性が良く、料理に深みを与えます。

生姜 は非常に多様な料理に使われるため、その組み合わせは無限です。料理の種類や個々の好みに合わせて、生姜を使った新しい料理を試してみるのも良いでしょう。

プラスすると効果的な食材

ショウガ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

生姜と相性のいい食材

生姜はさわやかでスパイシーな風味を持ち、さまざまな食材と相性が良いです。特に、以下の食材と組み合わせると、風味や栄養面でのメリットを活かすことができます。

1. 魚類

  • 生姜は魚の生臭さを消し、風味を引き立てます。特に、サバイワシサケなどの青魚と相性が良いです。煮魚や焼き魚に生姜を加えると、風味が良くなり、消化も助けます。

2. 鶏肉

  • 生姜の風味は、鶏肉の淡白な味を引き立て、料理全体にさっぱりとしたアクセントを加えます。生姜焼きや蒸し鶏、鍋料理に生姜を加えると美味しさが増します。

3. 豚肉

  • 生姜は豚肉の脂っこさを中和し、消化を助ける効果があります。豚の生姜焼きは代表的な料理ですが、他にも豚肉の煮込み料理や炒め物に生姜を加えると、さわやかな風味がプラスされます。

4. にんにく

  • 生姜とにんにくの組み合わせは、多くの料理で使われます。特に、中華料理やエスニック料理では、香りと風味がよく合い、スパイシーで深みのある味わいを引き出します。

5. 蜂蜜

  • 生姜の辛味と蜂蜜の甘さが絶妙なバランスを作ります。生姜湯ハニージンジャーティーなど、風邪の時や体を温めたいときに良い組み合わせです。また、蜂蜜の抗菌作用と生姜の消化促進作用が体調管理にも役立ちます。

6. 豆腐

  • 生姜は豆腐の淡白な風味を引き立て、料理にさっぱりとした風味を加えます。冷奴におろし生姜を添えたり、豆腐ステーキに生姜ソースをかけると美味しくなります。

7. 大根

  • 大根の甘みと生姜の辛味がよく合います。大根おろしにおろし生姜を加えたり、鍋料理や煮物に生姜を使うと、風味が豊かになります。大根の消化促進効果と生姜の体を温める作用が組み合わさり、体にも良いです。

8. ニンジン

  • 生姜とニンジンは、スープや炒め物、煮物に使うと相性が良いです。特にスープに生姜を加えると、体を温める効果が高まり、ニンジンの甘みが引き立ちます。

9. レモン

  • 生姜とレモンは、さわやかでリフレッシュ効果のある組み合わせです。ジンジャーレモンティーやドレッシング、ソースに使うと、爽快感のある味わいが楽しめます。ビタミンCと生姜の相乗効果で免疫力アップにもつながります。

10. キノコ類

  • 生姜の風味は、キノコ類のうまみを引き出します。しいたけえのきしめじなどのキノコと一緒に炒めたり、スープに加えると、香り高く、滋味豊かな料理になります。

まとめ

生姜はさまざまな食材と相性が良く、特に肉類や魚類、蜂蜜や大根などの風味を引き立てます。さらに、消化促進や体を温める効果も期待でき、料理の味を深めるだけでなく、健康的な食生活にも貢献します。

食べ方のポイント

ショウガ は、すりおろしてラップで包み冷凍しておけば、品質の劣化を抑えられます。

選び方

皮に傷がなく、つやがあり、肉厚でふっくらしている。切り口が濃い黄色だと香り、辛みが強い。

保存方法

夏は冷蔵庫へ。冷凍するときはすりおろしてラップに包んで冷凍。

風邪のひきはじめには生姜湯を
ショウガ とネギを刻み、お湯かほうじ茶を注ぎます。醤油を一滴たらしたショウガ湯は、風邪のひきはじめに飲むといいでしょう。
簡単手作り生姜シロップ
薄切り ショウガと砂糖を鍋に入れて、数分間煮つめます。できあがったシロップはそのまま飲んでもお茶に入れても体を温めてくれます。
乾燥させてショウガ チップに
皮付きのまま薄切りにして乾燥させます。煮物やスープに入れて使う。干し ショウガ は、体をじわじわ温める効果。

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野菜

わさび

殺菌・抗菌や食欲増進に効果的

わさび
わさび

意外にビタミンCが豊富

わさび は、日本原産の香味野菜で、多くは薬味として利用されています。根、茎、葉のすべてに特有の香りと辛みがあります。そばには欠かせない薬味です。

根茎の部分には特に強い辛みがあって、すりおろしてそのまま薬味として食べられ、葉や茎の部分は、おひたしや和えもの、漬けものにして食べられます。

わさび には、食物繊維やカリウム、カルシウム、そしていくつかのビタミン類が含まれています。

なかでもビタミンCの含有量が多く、100グラム中の含有量ではレモン果汁にも劣らないほど豊富だといいます。

しかし、一度に使う量が少ないため、栄養素よりも辛み成分の薬効のほうが優れているという特徴があります。

辛み成分に殺菌作用がある

わさび の 有効成分 は、アリルイソチオシアネートという、ツンとした辛みの主成分です。辛み成分のもとは、からし油配糖体のシニグリンです。

すりおろすと、ミロシナーゼという酵素によって分解され、アリルイソチオシアネートなどいくつかの物質に分かれて辛みが生じます。

アリルイソチオシアネートには、強い殺菌作用や抗カビ作用があります。大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌といった多くの菌の増殖を抑えたり、カビの生育を抑える力があることがわかっています。

また、魚介類などに寄生することで知られるアニサキスという寄生虫の活動を鈍らせるはたらきもあります。

これらの効果は、わさびをおろすときのおろし金の目が細かいほど多くの細胞が空気に触れるので、香りも辛みも強くなって、抗菌・殺菌効果が増加します。

胃・十二指腸潰瘍、心臓病を防ぐ

わさびの辛み成分には、過剰な胃酸の分泌を調整して、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を防ぐはたらきがあることがわかっています。辛みの適度な刺激作用が食欲を増進し、唾液の分泌やジアスターゼの活性を増加させて、消化を促します。

また、心臓の負担を減らして血流を良くする作用があって、心臓病を防ぐのにも役立ちます。

わさび にプラスすると効果的な食材

わさびと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

わさび は繊維が多く組織がきめ細かいので、目の細かいおろし金で素早くすりおろすほうが、辛みが出て効果的です。
また、辛み成分は揮発性が大きくて分解が早く、加熱や時間の経過によって辛みが損失するので、食べる直前にすりおろしましょう。

ガンを防ぐ食材「わさび」