婦人病に有効

牛肉よりすぐれたたんばく価をもつ
羊肉は、生後1年未満の仔羊肉をラム、1年以上たった成羊肉をマトンと呼びます。
独特の臭いのため、日本ではあまり普及していませんが、仔羊肉は比較的臭いが少なく食べやすいといえます。
羊肉のたんばく質は、アミノ酸バランスにすぐれ、牛肉より高いたんばく価をもっています。
また肉質はやわらかくて消化がよく、脂肪分も少ないうえ、増血作用のある鉄分や、活力を作り出すビタミンB1も豊富であるため、病中・病後の体力回復にすぐれた効果をあらわします。
体を温め血を補う作用があり、婦人病に有効
羊肉には元気を補い、血を養う作用があり、気力を充実させ、血を増やし、衰弱した体を回復させます。また体を温める作用が牛肉、鶏肉、豚肉よりも卓越しています。
冷えると腹痛や下痢を起こしやすい人、冬になると小便が近くなる人、精力が衰えた人などに効果があります。
また、呼吸器系が弱くてかぜをひきやすい人、なかなか咳が止まらない人、ぜん息発作がひんばんに起こる人が好んで食べていれば、回復力の増強がはかれます。
さらに血を補う作用により、産後の体力の衰えや月経不順、おりもの、不妊症にも効果を発揮します。婦人病に効くため中国では羊肉を「女性の肉」と呼んでいます。
脂肪が少なく、肥満の心配は無用
羊独特の臭いは、脂肪分にカプリル酸という成分があるためです。脂肪を上手に取りのぞけば、臭いはそれほど気になりません。また脂肪分はほかの肉に比べて少ないので肥満の心配がありません。
ヨーロッパの人たちは独特の香りや風味をもった羊肉が好きで、よく食卓にのぼります。
羊肉にプラスすると効果的な食材
- 米、クミン、さんしょう、しょうが、なつめぐ ▶冷えによる腹痛、腰痛の改善
- にんじん、イカ、松の実、にんにく、ぶどう、ごま、しょうが ▶ 精力増進、不妊症、更年期障害の改善
- 白きくらげ、ゆり根、昆布、ぎんなん、梅干し ▶ 長期にわたる咳や息切れの改善
選び方
皮に張りとツヤがあり、赤身は明るく鮮やかなもの。持ったときに重みを感じ、毛抜き処理が丁寧に行われているものを選ぶ。
保存法
冷蔵庫に入れ、消費期限内に食べきる。冷凍するときは、冷気に肉が触れないようにぴっちりとラップで包む。