山芋

滋養強壮、疲労回復に効果的

山芋
山芋

疲れをとるのにおすすめ

昔から 山芋 を食べると体が丈夫になって元気になるといわれていて、精力をつけるのにも食べられてきました。

「山ウナギ」という異名をもつ山芋が、このように滋養強壮に効く食べものだということはよく知られていることだと思いますが、ほかにも優れたはたらきがあります。

山芋にはデンプンを分解するジアスターゼやアミラーゼ、グルコシターゼという消化酵素がたくさん含まれていて、消化が良く、胃腸の疲れをとってくれます。

胃腸が弱いという人でも大丈夫です。

皮をむくとヌルヌルしていますが、これはムチンという糖タンパク成分です。体に取り込まれたタンパク質の吸収を促進して、効率良くエネルギー源へと変えるはたらきがあり、全身の疲労を回復するのに期待ができます。

疲労回復のビタミンともいわれるビタミンB1は、疲労の原因となる乳酸を分解します。また、運動によって起こる疲労を回復させるには、アンモニアを解毒するアルギニンがはたらきます。

含有成分の相乗効果で健康な体になる

新陳代謝を促すコリン、抗酸化作用をもちコレステロールを除去するサポニン、活性酸素を解毒しガンや成人病などを防ぐ酵素のカタラーゼなど、山芋には、さまざまな有用な成分が豊富に含まれています。

こういった作用の相乗効果で、胃腸のはたらきを調整し、新陳代謝を高め、病気に対する抵抗力や回復力をつけます。

ホルモンの分泌を調整したり促進して、水分の代謝も整えます。このようにして、私たちの体を健康へと導いてくれるのです。

糖尿病や高血圧、動脈硬化の予防

水溶性の食物繊維は、腸内で有害な成分を吸着し体外へ排出させます。糖尿病や高血圧の予防にも効果的です。インスリンの分泌を促して、血糖値を下げるはたらきにも期待されています。

糖尿病の中期から後期で体重の減少があらわれ始めた頃に、特に有効だといわれています。

山芋 にプラスすると効果的な食材

山芋 と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

山芋 は、生で食べることで消化酵素のはたらきが一層良くなります。さらに、すりおろすと細胞が細かくなるので、消化酵素のはたらきが高まります。

選び方

持つと重みがあり、皮に張りがあって表面に傷がないもの。できれば泥付がいい。

保存法

新聞紙に包んで、風通しのいい冷暗所で。カットした物は、口をラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存。

みょうが

みょうがは、血流を良くして痛みを和らげる

みょうが
みょうが

精油成分が眠気を覚まし血行を良くする

みょうが は、日本原産の香味野菜のひとつで、野菜として栽培をしているのは日本だけで、古くから薬用、そして食用として利用されています。

花も茎も食用になり、薬効としては根茎に一番あります。同じ仲間であるショウガなどと比較すると、栄養的にはビタミン類、ミネラル類ともに劣りはしますが、独特の香りと辛味には優れた薬効があるといいます。

みょうがに含まれている香りのもとは、α-ピネン(アルファーピネン)という精油成分です。α-ピネンには、大脳皮質を刺激して覚醒を促す作用があって、眠気に襲われたときに効果的です。延髄を活性化して発汗・呼吸を調整したり、血液循環などの機能を促進して、血行を良くする作用もあります。

また、胃の働きを活発にして、食欲を増進させたり、殺菌や防腐の力もあります。

口内炎、のどの痛みを緩和する

みょうがは解毒作用や消炎作用をもっているため、口内炎や舌炎、扁桃腺炎、風邪をひいてのどの痛みがあり声を出しづらくなったとき、腫れものができて痛むときなどにも効き目をあらわします。

また、みょうがを甘酢漬けにして疲れたときに食べると、酢のクエン酸や遊離アミノ酸がはたらいて、夏バテの解消や疲労回復に役立ちます。

女性特有の症状を改善する

ホルモンバランスを調整する作用もあって、血流を良くする作用と協力して、月経不順や更年期障害を改善します。また、月経痛や冷えによる腹痛、腰痛を緩和します。こうした女性のつらい症状に効果的です。

みょうが にプラスすると効果的な食材

みょうが 次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

アクが強いので、食べ過ぎには注意しましょう。精油成分であるα-ピネンは揮発しやすいので、高温での調理には向いていません。生のまま食べるのが効果的です。冷めんなどを食べるときに薬味としてみょうがを加えると、冷えすぎを防いで胃腸のはたらきを整えてくれます。

選び方

ふっくらと丸みがあり、中身が縮まっているもの。表面にツヤがあり傷のないものを選ぶ。

保存法

乾燥すると香りが飛ぶので、湿らせた新聞紙にキッチンペーパーでつつみ冷蔵庫で保存。冷凍保存も可能。

みつば

痛みやイライラを鎮静する

みつば
みつば

意外に栄養を含んだ野菜

日本も含めた東アジアが原産の みつば は、セリ科の香味野菜です。風味が良いことから、お吸いものや茶碗蒸しなどに散らして食べたり、丼ものの彩りにして食べられます。

1本の茎に葉が3枚ずつ付いていることが三つ葉(みつば)という名の由来です。みつばの種類は、大きく分けて、根みつば、糸みつば(青みつば)、切りみつばの3種類です。

みつばにはビタミンC、カロテン、カリウム、カルシウム、鉄分などの栄養素が豊富に含まれていて、風邪を予防したり肌あれを防いだりするのに効果的です。また、血液の循環を良くするという薬効もあります。

みつばは、緑の部分が多いほど栄養成分量も多く、切りみつばよりも、スーパーマーケットなどでよく見かける糸みつばや根みつばのほうが栄養が豊富だといわれています。

食欲を増進し、精神を安定させる

みつばには、香り成分としてクリプトテーネンやミツバエンといった特有の物質が含まれていて、健胃、消化促進、食欲増進の効果があります。 なんとなく、いつも食欲がないという人にはおすすめの成分です。

また、これらの香り成分には、神経をしずめる作用があって、ストレスによる精神不安を緩和したり、イライラして眠れないときにも効果的です。

みつば にプラスすると効果的な食材

みつば と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

糸みつばと切りみつばは組織がやわらかいので、生のままお吸いものや丼もの、茶碗蒸しなどに散らして風味を味わえます。

てんぷらやかき揚げにしても香り豊かに食べられます。茹でる場合は、香りが飛ばないように熱湯に軽くくぐらせる程度が良いです。

根みつばは食感がしっかりしていて、アクがあり組織がかたいので、サッと茹でてお浸しや和えもの、卵とじなどにすると良いでしょう。