まぐろ

赤身とトロでいろいろな栄養が摂れる魚

まぐろ 鮪
まぐろ 鮪

まぐろ は、日本人には古くから食べられてきた食材で、現在でもお寿司やお刺身には欠かせない魚です。

種類や部位によって栄養価は異なりますが、体を丈夫にするタンパク質、疲労回復に役立つビタミンB1、貧血を予防する鉄などのミネラルが豊富です。

消化が良いので、虚弱体質の人の体質改善にも良いとされてきました。

赤身はタンパク質が豊富

まぐろ の赤身は低脂肪で、タンパク質の含有量が魚のなかではトップクラスです。しかも、アミノ酸バランスのとれた良質なタンパク質で、栄養的にとても優れています。

タンパク質は体のもとをつくる重要な栄養素なので、不足すると、血管がもろくなったり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなったり、脳の機能が低下したりします。

赤身には増血作用のある鉄も多く含まれていて、貧血を防ぎ、めまい、動悸や息切れ、冷え症にも効果的です。

豊富なタンパク質が鉄の吸収を助ける働きをすることから、こうした効果のパワーアップに期待できます。

血合いの部分には、抗酸化作用を発揮し老化を防ぐビタミンEや、動脈硬化を防ぎ肝機能を高めるタウリンが豊富に含まれています。

脂身のトロは DHA の宝庫

まぐろ の脂身であるトロには、不飽和脂肪酸の DHA (ドコサヘキサエン酸)がたっぷりと含まれています。

DHA には脳の機能を高める作用があり、成長期の子供の脳を発達させ、成人の脳を活性化させます。

記憶力や集中力の向上に力を発揮し、不足すると脳のはたらきが悪くなって老化や痴呆につながります。

また、同じく不飽和脂肪酸で、血液サラサラ効果で知られ、動脈硬化を予防する EPA (エイコサペンタエン酸)も含まれています。中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、高血圧をはじめ、さまざまな生活習慣病を防ぎます。

まぐろ にプラスすると効果的な食材

まぐろ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

DHA と EPA には体にうれしいはたらきがたくさんありますが、脂が乗っているぶんカロリーが高いので食べ過ぎに注意しましょう。

まぐろ には DHA もEPA も含まれています。加熱しても成分は変化しませんが、脂肪量が減少しない生食がベストです。クロマグロなら脂肪の量が増える冬場が最適です。

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赤身
もっとも量が多い部位。独特の甘みと香りがある。表面のキメが細かいものが美味。
中とろ
適度な脂ののりで、中トロを好む人は多い。身のしっかりしたものを選ぶ。
大とろ
脂質含有量は約 4 割と高めでとろけるような舌触りが特徴。

サケ

血栓を防ぎ、体を元気にする

サケ
サケ

サケ の特徴的な栄養素は、 100 g あたりたんぱく質 22.3 g 、ビタミンB2 0.21 mg 、ビタミンB1 0.15 mg 、 ビタミンD  32 mg 。
温性で胃を温めるため、胃腸の働きを高めます。水分の代謝を助けてむくみを改善、血の巡りをよくします。

活性酸素を除去する

サケ は身の色は赤いですが、もともとは白身魚です。この赤みは、 サケ のエサとなるカニえびなど甲殻類に含まれるアスタキサンチンという成分で、身が赤いほどアスタキサンチンの含有量が豊富です。

カロテノイドの一種であるアスタキサンチンには強い抗酸化作用があり、活性酸素を除去して、ガンの発生を抑制します。

アスタキサンチンは、脳や目の奥など栄養が届きにくいところまでしっかり届き、眼精疲労の改善や動脈硬化の予防に働きます。

アンチエイジングや生活習慣病の予防などさまざまな効能が期待でき、サプリメントや化粧品にも使われたりしています。

血栓症を予防する、脳の機能を高める

サケ の脂は、 DHA (ドコサヘキサエン酸)や EPA (エイコサペンタエン酸)という不飽和脂肪酸です。どちらにも、血液をサラサラにして、血栓をつくらせない働きがあります。

DHA は脳の発達を助けるといわれていて、神経伝達物質の量を増やし、情報伝達の能力を向上させる働きがあります。

認知症を予防する効果でも期待されています。 EPA との相乗効果で、脳内の血管を健康に保ちます。 EPA は血小板凝集抑制の効果が高く、血液の流れを良くし、さまざまな生活習慣病を予防する働きがあります。

HDL(善玉)コレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らして、血液をサラサラにします。高血圧の予防・改善に効果的です。

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胃腸をあたため、滋養をつける

サケ には、胃腸をあたためて消化機能を増進し、気力を増す効能があります。体力が衰えている、胃腸が弱っている、体が冷えて食欲がない、といったときに効く滋養食材です。

豊富なタンパク質、栄養素の代謝を良くして体にちからをつけるビタミンB1やB2、カルシウムの吸収を良くするビタミンDも含まれています。

サケ にプラスすると効果的な食材

サケ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

サケ の皮にはコラーゲンや DHA などが豊富に含まれているので、残さず食べましょう。
サケ にはアニサキスなどの寄生虫がいることが多いので、新鮮な鮭が手に入っても、家庭では生食は避けたほうがよいでしょう。店ではサーモンの刺身が出まわっていますが、一度冷凍して寄生虫を死滅させたものなどです。

選び方

うろこは銀色に光り、皮に張りがあって身が締まっているものが新鮮。切り身の場合は、身が透き通ったサーモンピンクのものを。

保存方法

鮮度が落ちないように冷蔵庫で保存し、消費期限内に使い切る。冷凍も可能。

かつお

血を補い、脳を活性化する

かつお
かつお

かつお の特徴的な栄養素は、 100 g あたり、たんぱく質 25.8 g 、脂質 0.5 g 、鉄 1.9 mg 、 ビタミンB1 0.13 mg 、 ビタミンB12 8.4 μグラム 。

血を気を補い、消化吸収を助けるので、胃腸が弱っているときの栄誉補給に適しています。

記憶力を高め、美肌をつくる

かつお には、良質なタンパク質のほか、ビタミン類、ミネラルも豊富に含まれています。旨味成分のひとつであるグルタミン酸も含まれていて、これには記憶力を高める効果があるので、健脳食品としても注目されます。

また、 かつお には、ほかの青魚と同じように、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)がたっぷりと含まれています。

特にDHAの含有量は多く、活脳作用がありますから、学習能力や記憶力を高め、痴呆症などの防止にも働きます。

皮には老化防止や美肌効果のあるコラーゲンが含まれているので、表皮をあぶって皮ごと食べる、かつおのたたきは、女性におすすめの食べ方です。

血合いは栄養たっぷり

赤黒い血合い(ちあい)の部分には、ビタミンB1、B2、B12やビタミンD、鉄分といった栄養素が豊富に含まれています。

ビタミンB12の含有量はほかの魚肉と比較して特に多く、ミネラルでは鉄が多く含まれています。

これらの栄養素は、疲労回復や食欲の増進、貧血の改善、肌を健康に保つなどの効果に期待できます。ビタミンDはカルシウムの吸収を高めるので、それによって強い骨をつくり、骨粗しょう症の予防にも効果的です。

生活習慣病を予防する

不飽和脂肪酸であるEPAは血栓をできにくくして血液をサラサラに保ち、HDL(善玉)コレステロールを増やし、LDL(悪玉)コレステロールを減らす働きがあって、動脈硬化などの生活習慣病を予防します。

また、コレステロール値を下げるタウリンが含まれているので、高血圧や動脈硬化を予防し、肝機能を高めます。

かつお には、 アンセリン という成分が含まれていますが、これはアミノ酸が結合したペプチドの一種で、尿酸の生成を抑えたり排泄を促して、尿酸値を下げる効果があるといわれています。

血中の尿酸値が高くなることで引き起こされる痛風や腎不全、尿路結石のほか、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞などといった生活習慣病の予防に有効です。アンセリンは、疲れのもとの乳酸の分解を促すので、疲労回復にも役立ちます。

かつお にプラスすると効果的な食材

かつお と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

DHA EPA の詳しい 効能 効果 はこちら。

食べ方のポイント

栄養が豊富な血合い肉ですが、生臭さが気になる人は多いでしょう。薬味にショウガやニンニク、あさつき、しそなどを合わせると生臭さが減り、酸化を防ぎます。

選び方

背が鮮やかな青紫色をしていて、身は引き締まり。腹の縞がはっきりしているものが新鮮。刺身は色に深みがアリ、みずみずしく血が水分がしみ出していない物を。

保存方法

鮮度が落ちやすいので、冷蔵庫で保存し、買ったその日に食べるようにする。