イワシ

EPA DHA が生活習慣病を防ぐ

イワシ
イワシ

イワシ の特徴的な栄養素は、100 g あたり、たんぱく質 19.8 g 、カルシウム 7 0 mg 、ビタミンB2 0.36 mg、ビタミンD 10μグラム。

カルシウムが豊富な上、カルシウムの吸収を促す、ビタミンDの量も多いので骨粗鬆症予防に最適。

血栓を防ぐ成分が豊富

イワシ は海の浅い部分に広く分布している回遊魚で、大きな群れで行動する特徴をもつ魚です。日本でイワシというと、マイワシ(真いわし)、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種が一般に知られています。

魚の身には「血合い」と呼ばれる赤黒く見える部分がありますが、マイワシの身はおよそ20パーセントくらいが血合いです。

イワシ などの青魚の臭みというのは、この血合い肉によるものなのですが、血合いには EPA (エイコサペンタエン酸)や DHA (ドコサヘキサエン酸)がとても豊富に含まれています。

EPA やDHA には、血中コレステロールを下げ、血液をサラサラにして、血管をきれいにするはたらきがあるので、動脈硬化、心筋梗塞や脳卒中といった生活習慣病に有効だとされています。 DHA は脳細胞膜をつくる材料としても重要で、記憶力や判断力の向上など脳のはたらきを高めて、老化防止に効果を発揮するのです。

また、 イワシ のタンパク質に含まれるペプチドには血圧降下作用があります。血圧の上昇を誘発する酵素の働きを阻害して高い血圧を下げます。

EPAのパワーを上まわる不飽和脂肪酸、DPA(ドコサペンタエン酸)を含んだ「マンボウの肝油」についてはこちら。

ビタミンDがカルシウムの吸収を高める

カルシウムやマグネシウム、リンなど骨の形成に重要なミネラル類も豊富に含まれているので、成長期の子供や骨粗しょう症の予防にもおすすめです。ビタミンDも豊富なので、 イワシ に含まれているカルシウムの吸収力がアップします。カルシウムは骨や歯を強くするだけでなく、精神の不安定にも作用しますが、体内での吸収率が良くないので、ビタミンDやタンパク質が必要になります。

イワシ にプラスすると効果的な食材

イワシ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

干しやショウガなどと一緒に煮ると、 イワシ の臭みが緩和され、食べやすくなります。

選び方

目が澄んでいて、側面の黒点がはっきり見える物ほど新鮮。切り身は切り口がピンとしているものを。

保存方法

青魚の中でも いわし は特に傷むのが早いので冷蔵庫に保存し、買ったその日に使う。冷凍保存もOK。

イカ

イカ墨や甲殻も健康維持に役立つ

イカ
イカ

イカ は、血を養い、肝の働きを助けて、貧血やおりものの異常、月経過多などの改善を行う。
特徴的な栄養素は、100 g あたり、たんぱく質 18.1 g、カリウム 270 mg、ビタミンE 2.1 mg 。

コレステロールを下げ、動脈硬化を予防する

イカ は、肝臓の働きを助け、生活習慣病を改善する注目の食材のひとつです。アミノ酸の組成やタンパク質の含有量も優れていて栄養価は高いのですが、脂質の少ない低カロリーな食品です。

イカ 、タコほたて貝 、イクラ 、 ウニ などはコレステロールが多く含まれる食品ですが、コレステロールを下げるアミノ酸、タウリンも多く含まれているので相殺効果があります。

コレステロールには、細胞膜やホルモン、胆汁酸の材料になるといった働きがあります。コレステロールというと嫌われがちですが、体内で重要な働きをしているので極端に避ける必要はないのです。

アミノ酸の一種のタウリンには強い抗酸化作用があって、肝機能を高めたり、インスリンの効果を高める作用もあります。

また、血中のコレステロールを下げ、中性脂肪を減らす作用もあるので、動脈硬化や高脂血症、糖尿病をはじめとした様々な生活習慣病の予防に効果的です。

イカ墨は狭心症に効き、ガンの予防にもなる

イカ といえば敵の目をくらませるために墨を吐くことで知られていますが、このイカ墨は体内の墨汁嚢(ぼくじゅうのう)といわれる墨袋にある腺でつくられ、タンパク質、脂質、糖、メラニンが成分となっています。

イカ墨にはムコ多糖類という防腐力の強い物質が含まれていて、これに抗ガン作用があるということで注目されています。また、血行を良くし、心臓の動悸や痛みを緩和し狭心症に効果的だといわれています。

イカ にプラスすると効果的な食材

イカ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

イカ の中でも小さな種類のホタルイカなら、内臓ごと食べられるので、ビタミンAを効率良く補給できます。

選び方

身の透明度が高く、張りがあるものは、鮮度がよい。目がすんでいて若干飛び出しているものを選ぶ。

保存方法

内臓を取り除くなどの下処理後、ラップに包んでから密閉袋に入れて冷蔵庫へ。冷凍保存も可能。

アサリ

貧血を予防する、肝臓を強化する

アサリ は、うまみ成分を豊富に含み、日本の各地でとることができる二枚貝です。

アサリ
アサリ

アサリ は、体の余分な熱をとり、ねばりけのある痰を伴う咳やほてりを鎮めます。疲労回復や胃酸を中和して胃の痛みと胸焼けを和らげる効果もあります。

特徴的な栄養素は、100 g あたりたんぱく質 6 g、カルシウム 66 mg、鉄 3.8 mg、ビタミンB2 0.16 mg、ビタミンB12 52.4 μグラム。

鉄分とビタミンB12が貧血を防ぐ

アサリ には、量は少ないものの良質なタンパク質のほか、鉄分やカルシウムなどのミネラル、ビタミンではB2やB12などが豊富に含まれています。鉄分はシジミにも負けないくらいの量が含まれ、ビタミンB12は貝類ではトップクラスの含有量の多さです。

鉄分は血液をつくる材料となる栄養素で、ビタミンB12には増血作用があるので、これらを豊富に含んだアサリは、貧血の予防や改善に大きな効果が期待できる食材です。

ほかに、ボケを防ぐはたらきがあることも注目されています。

コレステロール値を下げ、肝機能を高める

よく知られているように、アサリにはうまみ成分が豊富です。グリシンやグルタミン酸、コハク酸などのうまみ成分は、うまみとともにエネルギー源としても優秀なのです。また、コハク酸には、胆汁の分泌を促す作用もあって、コレステロールが増えるのを防ぎます。

遊離アミノ酸の一種のタウリンも多く含まれています。

タウリンはタコイカカキといった魚介類に豊富な成分で、コレステロール値を低下させる作用や、中性脂肪を減少させる作用があって、動脈硬化や高脂血症といった生活習慣病に対し効果を発揮します。

胆汁の生成を促して肝臓を強化したり、インスリンの効果を高める作用もあるので、肝機能障害や糖尿病の改善にはたらきます。

また、二日酔いの改善にも期待できます。原因物質となるアセトアルデヒドを分解する酵素の働きを助けて、肝臓にかかる負担を軽減します。体内のアルコールを無毒化して、体外へ排出する解毒作用もあります。

精神不安やむくみを改善する

さらに、アサリには体内の余分な熱を冷ます作用があって、手足のほてりや不安定な精神をしずめます。のどの渇きを抑え、利尿にはたらく作用もあって、腎炎からくるむくみを改善します。

アサリ にプラスすると効果的な食材

アサリ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

鉄分が豊富な アサリ は、ビタミンC と一緒に摂ることで吸収力が高まります。

含まれる有効成分はビタミンB12をはじめどれも水溶性なので、汁ごと食べられる料理のほうが効果的に栄養を摂取できます。

選び方

殻がしっかり閉じていて、表面にぬめりがあり、模様がはっきり出ているもの。むき身の場合は、身が締まっていてみずみずしいもの。

保存方法

海水と同じくらいの濃度の塩水につけて冷蔵庫で保存。すなぬき後、殻ごと冷凍庫で保存も可能。

不眠症にはビタミンB12が有効、アサリの味噌汁と納豆の朝食でOK! | ビタミン効果