わさび

殺菌・抗菌や食欲増進に効果的

わさび
わさび

意外にビタミンCが豊富

わさび は、日本原産の香味野菜で、多くは薬味として利用されています。根、茎、葉のすべてに特有の香りと辛みがあります。そばには欠かせない薬味です。

根茎の部分には特に強い辛みがあって、すりおろしてそのまま薬味として食べられ、葉や茎の部分は、おひたしや和えもの、漬けものにして食べられます。

わさび には、食物繊維やカリウム、カルシウム、そしていくつかのビタミン類が含まれています。

なかでもビタミンCの含有量が多く、100グラム中の含有量ではレモン果汁にも劣らないほど豊富だといいます。

しかし、一度に使う量が少ないため、栄養素よりも辛み成分の薬効のほうが優れているという特徴があります。

辛み成分に殺菌作用がある

わさび の 有効成分 は、アリルイソチオシアネートという、ツンとした辛みの主成分です。辛み成分のもとは、からし油配糖体のシニグリンです。

すりおろすと、ミロシナーゼという酵素によって分解され、アリルイソチオシアネートなどいくつかの物質に分かれて辛みが生じます。

アリルイソチオシアネートには、強い殺菌作用や抗カビ作用があります。大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌といった多くの菌の増殖を抑えたり、カビの生育を抑える力があることがわかっています。

また、魚介類などに寄生することで知られるアニサキスという寄生虫の活動を鈍らせるはたらきもあります。

これらの効果は、わさびをおろすときのおろし金の目が細かいほど多くの細胞が空気に触れるので、香りも辛みも強くなって、抗菌・殺菌効果が増加します。

胃・十二指腸潰瘍、心臓病を防ぐ

わさびの辛み成分には、過剰な胃酸の分泌を調整して、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を防ぐはたらきがあることがわかっています。辛みの適度な刺激作用が食欲を増進し、唾液の分泌やジアスターゼの活性を増加させて、消化を促します。

また、心臓の負担を減らして血流を良くする作用があって、心臓病を防ぐのにも役立ちます。

わさび にプラスすると効果的な食材

わさびと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

わさび は繊維が多く組織がきめ細かいので、目の細かいおろし金で素早くすりおろすほうが、辛みが出て効果的です。
また、辛み成分は揮発性が大きくて分解が早く、加熱や時間の経過によって辛みが損失するので、食べる直前にすりおろしましょう。

ガンを防ぐ食材「わさび」

ホースラディッシュ ( 西洋わさび )

辛味成分が食中毒を予防

ホースラディッシュ ( 西洋わさび )
ホースラディッシュ ( 西洋わさび )

肉や魚の臭みを消し、旨みを引き出す

ホースラディッシュ ( 西洋わさび ) は根茎をすりおろしたものに独特の香りと辛味があり、ローストビーフや魚料理などに添える薬味として用いられています。

また、わさびと風味が似ているので、わさび大根、西洋わさびといった名で、粉わさびや練りわさびの原料として使われています。ヨーロッパでは、古くから肉や魚の臭いを消し、旨みを引き出す香辛料として使われてきました。

辛味成分に抗菌・抗かび・防腐作用がある

ホースラディッシュ ( 西洋わさび ) の主成分は糖質で、60〜70 % を占めています。そのほか、ビタミンC 、食物繊維、カルシウムなどを多く含み、成分的にはわさびとよく似ています。

辛味成分は、からし油配糖体のシニグリンです。すりおろすとシニグリンは酵素によって分解され、辛味成分のアリルイソチオシアネートなど数種の物質に分かれます。

アリルイソチオシアネートには、強力な抗細菌作用や、抗かび作用、防腐作用があり、食中毒の予防に働きます。

咳を止め、痰を切り、よぶんなカロリーを燃やすさらに辛味成分には、唾液量を増やし、胃液の分泌をよくする作用があり、消化を促進して食欲増進に働くと同時に、胃酸の出過ぎを抑え、胃・十二指腸潰瘍を防ぐ働きをします。

また、気道の粘液を切る作用があり、咳を鎮め、痰を取りのぞきます。同時に局所的血管拡張作用もあり、かぜや副鼻腔にあるうっ血を治します。

さらに新陳代謝の能力をアップさせ、よぶんなカロリーを燃やす働きもあります。

糖質や脂肪分の多い食事をしている人は、 ホースラディッシュ ( 西洋わさび ) を利用したいものです。そのほか、湿気の多いときに痛みが激しくなる神経痛、リウマチなどにも効果を発揮します。

ホースラディッシュ ( 西洋わさび ) にプラスすると効果アップの食材

ホースラディッシュ ( 西洋わさび ) と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

ふき

胃腸を丈夫にし咳を鎮める

ふき
ふき

体内の老廃物を処理し、体力をつける

ふき は、数少ない日本原産の野菜のひとつで、独特の風味とシャキッとした歯ざわりが持ち味です。

ふきのとう は2月頃に出る若い花茎(つぼみ) で、そのほろ苦さと香りが珍重されています。

「春の料理には苦味を添えよ」という諺がありますが、ふきは冬の間にたまった老廃物を排泄し、体にカツを入れる働きをもっています。

便秘を解消し、高血圧を予防する

ふき には目立った栄養成分はありませんが、食物繊維が多いので、胃腸の働きを高め、消化をよくして便通を促します。

苦味配糖体によるほろ苦さも食欲増進に一役買っています。また、食中毒の予防にもなります。また、カリウムを多く含み、よぶんなナトリウムを排泄してくれます。

食物繊維の悪玉コレステロール除去作用、ケンフェロールなどフラボノイドの血管柔軟作用と協力して、高血圧や動脈硬化に効果を発揮します。

ふきのとうは、咳止めの妙薬

一方、ふきのとうにはカロチン(ビタミンA ) やビタミンB1B2が豊富です。ふきのとうは、昔から咳止めの妙薬として知られていますが、特に痰を伴う込み上げるような咳に効果的です。

ぜいぜいして息苦しいぜん息の治療などにも用いられてきました。さらに心肺機能を準え、五臓の働きをよくし、胸苦しさを除き、痰を消し、目をはっきりさせる効果もあります。

そのほか ふき には、血をきれいにする作用、解毒、消炎作用もあります。 ふき の代表料理のひとつである青魚とふきの炊き合わせは、魚の毒消しを利用した料理といえます。また、葉や茎の生汁は虫さされ、軽いやけど、切り傷に効きます。

ふき の効果をさらにアップさせる食材