さくらんぼ

さくらんぼは、疲労回復、貧血や冷え症の改善に

さくらんぼ
さくらんぼ

さくらんぼ は、ソメイヨシノなどの一般的な観賞用の桜の木とは違う種類の桜の木に実がなり、桜桃(おうとう)ともいわれます。初夏が旬ですが、その時季が短いため店頭などに並ぶ時期も短い果物です。

特徴的な栄養素は、100gあたり、カリウム 210mg、ビタミンC 10mg、葉酸 38μグラム

さくらんぼの主成分はブドウ糖で、鉄分やカロテン、カリウムが豊富に含まれているのが特徴です。ほかにも食物繊維やさまざまなビタミン、ミネラルが少量ですがバランス良く含まれています。

鉄欠乏性貧血の方は、果物なら鉄が多いさくらんぼを積極的に食べるようにするといいでしょう。
女性に多い鉄不足の治療についてはこちらです。

鉄など女性に必要な成分が豊富

さくらんぼの主な成分はブドウ糖です。ブドウ糖は、体内で吸収されるのが速いので、疲労回復に効果的です。病後や産後の回復期や、疲労のため食欲が無いときにも効果があるといわれています。

また、果物の中でもトップクラスの含有量を誇る鉄分は、貧血や疲労回復、冷え症の改善などにも効果的です。

そのほか、肌荒れや疲れ目を予防してくれるカロテンやむくみを予防してくれるカリウム、老化の原因となる活性酸素を除去するポリフェノールも含まれています。

このように、美肌効果にも期待でき、特に女性にはうれしい成分が含まれていることがわかります。

カリウムは、余分なナトリウムの排出を促して高血圧を防いだり、利尿作用を発揮してむくみや腎臓疾患に対しても効果をあらわします。

ソルビトールが虫歯を予防、便秘を改善する

さくらんぼには、意外な成分が含まれています。それは、ソルビトールです。

名前を聞いたことがあるかもしれませんが、ソルビトールは砂糖不使用のガムなどに使用されていて、口に入れるとヒヤッとした感じがする成分です。

このソルビトールには、歯垢の増加を防ぎ、虫歯を予防するはたらきがあるといわれています。

虫歯は私たちの口の中にすんでいる細菌が糖質をもとに酸をつくり徐々に歯を溶かしていくことなどで起こりますが、ソルビトールには口の中にある酸への代謝をしにくくする性質があるので、虫歯になりにくい成分として、歯みがき粉などさまざまなものに使われているのです。

さくらんぼに含まれているソルビトールには、便に適度な水分を与えかさを増したりする作用があって、腸管が刺激されて便秘が改善するのにも期待できます。

ただし、ソルビトールを大量に摂取するとお腹が緩くなることもあるので注意が必要です。

さくらんぼ にプラスすると効果的な食材

さくらんぼ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

さくらんぼは、収穫されると味がどんどん落ちていきます。軸が鮮やかな緑色のものを選んで買い、栄養を逃さないためにも、買ったらすぐに食べるほうが良いです。鮮度が落ちてしまった軸は茶色くなってきます。

選び方

へたが青々していて、葉は鮮やかな紅色、傷がなくつやつやしており、張りがある物がよい。黒みがかかっているものは熟しすぎ。

保存方法

あまり日持ちしないので、なるべく日のうちに食べきる。保存の目安は、1日程度。ポリ袋に入れて冷蔵庫、野菜室で保存。

グレープフルーツ

ビタミンCが豊富で心身の疲労回復に効果的

グレープフルーツ
グレープフルーツ

グレープフルーツ は、高血圧を予防する、そして下げるためのカリウムが豊富です。そのままでもサラダに入れてもジュースやマーマレードにしてもおすすめです。

ボリュームがたっぷりのグレープフルーツは、みずみずしくて、酸味のほかにもほのかな苦味や甘味のある果物です。美容やダイエット、免疫系などに作用するビタミンCが豊富に含まれていますが、ストレスの緩和にも大きく関わっています。

グレープフルーツは、疲れをとり風邪を予防する、高血圧を予防する

グレープフルーツにはビタミン類が豊富に含まれていて、糖質は少なく低カロリーです。

特にビタミンCはほかの柑橘類と比べても多く含まれています。ビタミンCは、疲労の回復、風邪の予防や回復に優れた力を発揮します。ほかにもさまざまな抗ガン成分が含まれているため、発ガンを抑制し、ガンを予防する効果が期待されています。

また、グレープフルーツには、肝臓の機能を高めるはたらきもあります。イノシトールという成分が不摂生な食事や生活などによって起こる脂肪肝を予防し、肝臓の機能を正常に保ちます。

食物繊維のペクチンは、血中コレステロールを減らし高血圧や動脈硬化を防ぎます。また、カリウムも、血液中の塩分を調整し高血圧を防ぎます。

美肌をつくる、ストレスを和らげる

ビタミンCには、肌に潤いを与え美肌をつくる効果があります。コラーゲンを生成したり、紫外線の影響によるメラニンを抑制しシミやソバカスを予防して、美白へと導いてくれます。

また、活性酸素を除去して老化を防止します。

酸味のもとのクエン酸も豊富で、食欲を増進させ、胃腸の機能を高めます。新陳代謝も活発にして、疲労回復に効果をあらわします。

酸っぱいものを食べると唾液が出るものですが、この唾液には若返りや老化防止のホルモンが含まれています。

ビタミンCのはたらきとしては、抗ストレスや抗酸化作用が強いことも知られています。

ビタミンCが不足すると、肌の調子が悪くなる以外にも、イライラしたり情緒不安定になったりもします。私たちの体の中では、ストレスがかかると、アドレナリンという抗ストレスホルモンが分泌されるようになっているのですが、副腎でホルモンが合成される時には大量のビタミンCが必要になります。

グレープフルーツ にプラスすると効果的な食材

グレープフルーツ と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

グレープフルーツのしぼり汁にはちみつを加えてお湯を注いだあたたかい飲みものは、寝つきが悪かったり、イライラしたりする高ぶった神経を鎮静させるのに効果的です。

輪切りにしてスプーンですくって食べることが多いと思いますが、ペクチンのはたらきを強くするためには、果実の袋の部分も一緒に食べると良いです。

薬との注意

免疫抑制剤(シクロスポリンなど)、高脂血症治療剤(シンバスタチンなど)、降圧剤(ニソルジピン、フェロジピンなど)など、一部の医薬品は、グレープフルーツジュースを飲むと効果が強く出たり、副作用が現れやすくなるおそれのあることが知られています。

かりん

のどを守り、リウマチの症状を緩和する

かりん
かりん

たんを取り除き、せきを止める

かりん は、鮮やかな黄色と甘酸っぱい香りが特徴の果実です。かりんの果肉は硬く渋みがあるため、そのまま生で食べるには向いていませんが、食物繊維の一種であるペクチンが多く含まれていて、シロップ漬けやジャム、果実酒などに適しています。

痰(たん)を取り除いたり、咳(せき)を止める作用があって、気管支炎やぜんそくなどを改善します。かりんのエキスが配合されたのどあめなどの商品も多く販売されています。

日本では古くから、咳(せき)止めに効果的だとされて用いられてきましたが、中国では2,000年以上も前から薬用として使われ、乾燥させた果実を煎じて、痰(たん)をとったり、下痢を止めたりするのに利用されてきたといいます。

また、熟した果実は良い香りを放つので、部屋に置いて芳香剤としても使われます。

肝機能・胃腸機能を良くする

酸味や香りのあるかりんには、強い抗酸化作用があり、感染症を予防したり美容に効果的なビタミンC、同じく渋味の成分であるタンニンが多く含まれています。

強い酸味はクエン酸やリンゴ酸によるものですが、これらはかりんに含まれているポリフェノールの作用と協力して肝機能を調整します。それと同時に、筋肉や脈管の緊張を緩めてやわらかくするので、筋肉の老化や動脈硬化を防ぎます。

リウマチや神経痛による痛み、腫れ、しびれといった症状も緩和したり改善します。さらに、甘酸っぱい香りは、胃腸の機能を活発にして、食欲を増進したり消化を促進します。胸やけや悪心の改善、嘔吐や下痢のときの筋肉のけいれんを鎮めるはたらきもあります。

かりん にプラスすると効果的な食材

かりん と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

かりん には、ベンズアルデヒドという香りの成分が含まれています。特に、かりんの種に多く含まれているので、種ごと加工して食べることで、のどの痛みなどに効果的です。