果実にも葉にも薬効のある桃

桃

桃 は、夏の果実の中では珍しく温性で胃腸を冷やさないため、胃腸が弱い人でも安心して食べられる果物です。

不老長寿や邪気を払う果物だと考えられ古い時代に中国から伝わってきた 桃 は、果実だけでなく種子や葉にも健康成分が含まれているといわれています。

疲労を回復する

果汁たっぷりでみずみずしく、甘みのある桃ですが、 桃 の果実の成分は、ほとんどが糖質で占められています。

また、食物繊維のペクチンが多く、ほかには、カリウムやクエン酸、カテキン、ナイアシン、イノシトールなどの成分が含まれています。

桃 の甘みであるショ糖などの果糖は、代謝されずにすぐに体内でエネルギーとなるので、疲労回復に優れた即効性があります。

また、クエン酸にも疲労回復の効果があります。筋肉疲労の原因物質である乳酸の代謝を促して、筋肉へ蓄積するのを防ぐよう働きます。

便秘の改善、高血圧の予防に

水溶性食物繊維のペクチンには整腸作用があるので、便秘の予防や改善、血圧を下げるのにも効果的です。 桃 には水溶性と不溶性、それぞれの食物繊維が含まれていて腸を刺激します。

ペクチンやイノシトールには、コレステロールを減少する作用もあります。

カリウムは、体内の余分な塩分を排出して血圧を調整します。さらに、カテキンが脂質の酸化を防ぎ、血圧や血糖値が上昇するのを抑制します。

これらの働きによって、高血圧を予防すると考えられています。カテキンやクロロゲン酸などのポリフェノールは、ガンの発生を抑えるのに期待されています。

ナイアシンにもコレステロールの低下作用があり、皮膚や粘膜の健康を保つのにも役立ちます。

 桃の葉、桃仁(種子)の効能

桃の葉には、タンニンやマグネシウム・カリウムなどが含まれ、薬理作用があります。
葉には炎症を抑えたり、痛みを鎮めたりする働きがあって、内服することで頭痛や神経痛などの痛みを止めるのに役立ちます。

さらに、殺菌作用もあり、昔からあせもや湿疹を治すのに良いといわれていて、桃の葉のエキスが入った入浴剤や化粧水が市販されています。

桃の種を割ると中にはいくつか種子が入っていて、これを桃仁(トウニン)といいます。血液の循環を良くする働きがあるので、生理痛や更年期障害などの婦人病の漢方薬として利用されます。また、頭痛や肩コリ、高血圧や脳梗塞の予防にも効果的です。ただし、効果が強めなので利用するときには漢方の専門家に相談しましょう。

桃 にプラスすると効果的な食材

桃と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

食べ方のポイント

食べ過ぎるとお腹が張ったり、下痢をする可能性があるので注意しましょう。皮をむいた桃の果実の変色を防ぐには、レモン果汁をかけると良いです。

選び方

実に傷がなく、産毛が均等に生え、へたのくび周辺が色づいていない物。くぼみが青いものは、未熟。

保存法

ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するが、熟すとあまり日持ちしないので、なるべく早く食べる。熟し方が足りないときは、常温で追熟させる。

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