不定愁訴、不眠、イライラを治す
頭痛、痛風の痛みをやわらげる
ゆり根 は、いも類とよく似た組成で、野菜としては水分が少なく、ほくほくしていて、ほのかな苦みがあります。
ゆり根 は球根のなかでも鱗茎(りんけい)に分類され、 玉ねぎ や にんにく 、らっきょう の仲間です。
主成分のでんぷんをはじめ、たんぱく質とわずかなビタミン類、無機質を含んでいます。
また、食物繊維を多く含むため、便通をよくします。特有の軽い苦みは、コルヒチンセどのアルカロイドにょるもので、食欲を増進させ、痰の切れをよくする働きをします。
また鎮痛作用や、筋肉のけいれんを抑える作用もあり、頭痛や痛風などの痛みをやわらげてくれます。
咳を止め、呼吸器系を強くする
ゆり根 は、煮ると、ネトっとしますが、この粘液成分の正体は、多糖類の一種ユリマンナンです。
ゆり根に含まれるでんぷんとユリマンナンは、口腔や喉、胃腸の粘膜を保護する作用があります。
肺炎や気管を潤し、不足している体液を養う働きがあります。
マウスの実験でもゆり根の煮汁は咳を止める働きがあり、カラ咳や長引いた咳などを治してくれます。
また肺の呼吸量を増やす働きがあるので、ぜん息発作にも効果的で、呼吸器系が弱い人の強壮剤としても有効です。
精神を安定させ不眠を治す
またユリには、精神安定効果があります。更年期障害や自律神経失調症などが原因で不定愁訴のある人、不眠、ヒステリー、イライラなどで悩む人に効力を発揮します。
中国ではノイローゼの一種、百合病( ストレスや大病によっておこる精神衰弱) の特効薬として知られています。
滋養強壮作用もあるので、体力がつき、神経衰弱や精神恍惚などの予防に役立ちます。そのほか、長びいて体が弱った糖尿病や慢性肝炎、肌荒れ、むくみ、鼻血、おできにも効果があります。
ゆり根 の効果をさらにアップさせる食材
- しそ 、 白きくらげ 、 卵黄 、 蓮の実 ▶神経症、ヒステリー、不眠の改善
- プルーン 、 もも 、 クルミ 、 松の実 、 なつめ ▶早期の老化、ボケの予防
- 大根 、 なし 、 ぎんなん ▶気管支炎、喘息の治療
- しいたけ 、 せり 、 アサリ 、 梅干し ▶糖尿病、慢性肝炎の回復
選び方
紫がかったものは、苦みが強いので、色が白くて外側に傷がないものを選びます。鱗片が大きいものほど、ほくほく感があります。
湿らせたおがくずのんかに入れるか、新聞紙に包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存。
メモ: 柿と一緒に食べない
果物の 柿 と一緒に食べるのは、悪い組み合わせです。どちらも体を冷やすので腰痛や下痢を引き起こすことがあります。