栄養価に優れた完全食品

卵焼きに目玉焼き、ゆで卵、オムレツなど、毎日卵を食べているという人は多いのではないでしょうか。
日本では江戸時代から食べられてきたという卵ですが、当時は庶民にはまだ高級品でした。手ごろな値段になり一般的に食べられるようになったのは、50年ほど前(昭和30年頃)からだといわれています。

卵というとさまざまな動物の卵がありますが、一般的にはにわとりの卵である鶏卵(けいらん)を指します。卵にはタンパク質のほか、たくさんのビタミンやミネラルが含まれていて、栄養価の高さから完全食品ともいわれます。

タンパク質は卵白(卵の白身)に多く含まれます。タンパク質を構成しているアミノ酸には20種類ありますが、その中で私たちの体にとって必要不可欠で、食事から摂取しなければならないアミノ酸のことを「必須アミノ酸」といいます。必須アミノ酸には、ロイシン、イソロイシン、リジン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、バリン、スレオニンの8種類があります。

成人ではこの8種類のアミノ酸が必要なのですが、卵のタンパク質は、これらをバランス良くすべて含んだ理想的な組成です。体の免疫力をアップさせ、風邪をひきにくくしたり、生活習慣病を防いだりします。アミノ酸の中でも、豆類や穀類には少ないメチオニンが特に多く含まれるのですが、これは老廃物や毒素などを排泄します。また、ビタミンAやEなどは優れた抗酸化作用を発揮し、活性酸素の発生を抑えたり除去します。

卵には、骨や筋肉、血液、体液などの不足を補う作用があるので、衰弱した病後の体や栄養不足に効果的で、血液不足や体力の衰えによって起こるさまざまな症状にも効果をあらわします。めまいや目のかすみ、イライラや動悸に伴った不眠などにも有効です。

卵黄に豊富なレシチンが老化防止や健脳に働く

卵黄には、体に必要な脂肪がたくさん含まれています。中でも、脳や神経に最も必要なレシチンが3割近く含まれていて、記憶力や知能を向上させて老化やボケを防ぎます。このレシチンにはコリンという成分が含まれていて、これが脳を活性化させ、アルツハイマー病などの脳の組織の老化防止が期待されます。

卵にプラスすると効果的な食材

卵と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • キャベツ、クルミ、豚肉、牛乳
    ▶記憶力や知能を向上する
  • ほうれん草、ぎんなん、せり、ほたて貝
    ▶めまい、目のかすみを改善する
  • しそ、ゆり根、カキ、小麦
    ▶動悸を伴う不眠を改善する

食べ方のポイント

卵は室温に戻してから使い、使う直前に殻を割ることで、味を落とさずに調理できます。栄養面からすると生食がベストですが、半熟卵のように少し加熱したほうが、消化吸収率が良くなります。

牛肉

栄養価の高い肉

人間の何倍もの力を持つ牛は、昔は大きな労働力として人々にとって貴重な存在でした。そして、食べものというよりは滋養強壮のための薬として位置づけされていました。
牛肉は、肉類のなかでは一番栄養価の高い食材で、良質のタンパク質、脂質、鉄分などが多く含まれています。

動物性タンパク質や鉄分が豊富

牛肉に豊富に含まれているタンパク質は、体内でつくることができない必須アミノ酸をバランスよく含み、丈夫な体や血液をつくるはたらきがあります。健康を維持し、体を動かすエネルギー源として欠かすことのできない栄養素です。

また、鶏肉や豚肉と比較して、肉類としては鉄分がとても多く含まれています。この肉類に含まれる鉄分は植物に含まれるものよりも吸収率が高いので、効率よく鉄分を摂取することができます。さらに、赤血球がつくられるときに必要なビタミンB12も豊富なので、貧血や血行不良による冷え性に悩んでいる女性に特におすすめです。

気力をつけ、胃腸を丈夫にする

牛肉の優れた栄養価の相乗作用で、気力が増したり、体がすこやかになります。特に、胃腸を丈夫にして消化吸収を良くする作用が強いので、病後の衰弱した体や食欲の低下、気力がわいてこない、といった症状に効果的です。水分の代謝を調整してむくみをとるはたらきもあり、胃腸が冷えるときに牛肉をじっくりと煮込んだスープを飲むと調子が良くなるでしょう。また、腰やひざがだるく力が入らないなど運動機能の衰えを改善したりもします。

牛肉にプラスすると効果的な食材

牛肉と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • ニンジン、カボチャ、じゃがいも、ごぼう
    ▶気力・体力を回復する、だるさを改善する
  • じゃがいも、たまねぎ、にんにく
    ▶胃腸を強化する、消化不良を改善する
  • ニラ、山芋、みかんの皮、コショウ
    ▶体をあたため腰やひざのだるさを改善する

食べ方のポイント

牛肉は部位によって脂肪やカロリーに大きく差があるので、気になる人は赤身のもも肉やフィレ肉にすると良いでしょう。牛の赤身肉には脂肪燃焼効果があるというカルニチンも多く含まれているので、ダイエットの強い味方にもなります。

豚肉

体と脳の若さを維持するパワーの源

疲労回復に効くビタミンB1が豊富

豚肉の特徴といえば、やはりビタミンB1の含有量の多さです。それは、牛肉の10倍ともいわれ、赤身肉なら150グラムほどでビタミンB1の1日の必要摂取量をまかなえるといいます。

ビタミンB1は、糖質(炭水化物)をエネルギーに変換するために欠かせない栄養素です。別名「疲労回復のビタミン」といわれ、疲れのもととなる乳酸という物質が体に蓄積されるのを防ぎます。不足すると、エネルギーの代謝が効率良くおこなわれずに疲労がたまるというわけです。また、ビタミンB1が不足すると体だけでなく脳のはたらきも悪くなって、脚気や心筋梗塞、集中力の低下などを招き、ほかに、脳の病気にまで至る可能性があるのです。

美肌効果で女性におすすめ

豚肉のタンパク質は、肉類の中では最もアミノ酸バランスに優れています。ビタミン類ではB1のほか、B2、A、Eも多く含まれています。豚肉は、これらの栄養素のはたらきによって、体液や血液、骨といった私たちの体の構成成分を補う作用に優れ、病後や産後の衰弱や貧血、また、老化に伴う足腰の衰えやめまいに効果をあらわします。発熱・発汗後の体液不足を補ったり、肌のかさつきの改善などにも効き目があります。

ヒレ肉や肩肉にはビタミン、ミネラルが多く含まれます。モモ肉には脂肪が少ないのが特徴で、皮膚や粘膜の健康維持を助けるビタミンB群のナイアシンが含まれています。

レバーは、ビタミンAやビタミンB2、鉄分がとても豊富です。ビタミンAにも皮膚や粘膜の細胞を正常に保つはたらきがあるので、風邪の予防や美肌効果に期待ができます。
豚足にはコラーゲンなどのゼラチン質が豊富で、皮膚をなめらかにしてくれます。見た目や食感から苦手だという人もいると思いますが、増血作用もありますから、特に女性におすすめの食材です。

豚肉にプラスすると効果的な食材

豚肉と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • ほうれん草、落花生、かに、タコ
    ▶疲労を回復する
  • キャベツ、ネギ、ぶどう、栗、ごま
    ▶足腰の衰え、めまいを改善する
  • ニラ、ごま、オリーブオイル、ヨーグルト
    ▶肌を美しく保つ

豚肉とほかの食材との食べ合わせは、こちらも参考に。

食べ方のポイント

パワーの源であるビタミンB1は水溶性なので、効率良く摂取するには、煮物よりも炒め物が良いです。
食中毒を起こす可能性があるので、調理するときには火をしっかり通しましょう。特に内臓部位には気を使いましょう。

鶏肉

高タンパクで低脂肪のヘルシー食材

鶏肉は、タンパク質の量は牛肉や豚肉とそれほど変わりませんが、低脂肪でとてもヘルシーな食材です。淡泊でやわらかく消化吸収の良さが優れていますが、これは肉の繊維が細くてやわらかいためです。

コレステロールを減らす鶏肉の脂質

鶏肉のタンパク質には、メチオニンというアミノ酸の一種の成分が多く含まれていて、肝臓の機能を活性化します。肝臓に脂肪がたまってしまう脂肪肝の予防に効果的です。
脂質については、牛肉や豚肉とは違いがあります。鶏肉の脂質にはコレステロールを減らす不飽和脂肪酸が豊富に含まれているので、生活習慣病の心配はそれほどありません。

ただ、鶏肉は部位によって脂肪の含有量に違いがあることから、カロリーも大きく違います。体重や体脂肪が気になる人は、脂肪の少ないササミや胸肉を選ぶと良いです。

部位によってさまざまな味わいが楽しめる

ササミや胸肉はあっさりしているので、蒸して細かく割きサラダに入れると良いです。
骨付きの手羽先はおいしい出汁(ダシ)が出るので、煮込み料理におすすめです。固くなりにくいので、もも肉でも良いです。

体力回復や肌あれ、関節痛に効果的

鶏肉は肉類の中ではビタミンAが多く含まれています。ビタミンAは鼻やのどなどの粘膜を丈夫にして、病気の回復を助けます。お腹をあたためて胃腸の消化・吸収を高め、気力を充実させます。疲れやすい人や胃腸が弱く下痢をしやすい人に効果的です。肌荒れや暗い所での視覚が低下する夜盲症の改善にもはたらきます。

手羽先にはコラーゲンがたっぷりと含まれています。コラーゲンは、髪や目なども含め、肌の健康を維持し、美肌を保ちます。関節にも存在していて、加齢による関節痛の予防効果も期待できます。

鶏肉にプラスすると効果的な食材

鶏肉と次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • さつまいも、ごぼう、大豆、キウイフルーツ
    ▶脂肪肝を予防する
  • キャベツ、トマト、小松菜、とうもろこし
    ▶胃腸を強化する

食べ方のポイント

鶏肉は豚肉や牛肉に比べて鮮度が落ちやすいので、できるだけ早めに調理を済ませましょう。

コラーゲンは水に溶ける性質です。手羽先は良い出汁が出るし、スープも一緒に食べるとコラーゲンを効率良く摂取できます。

さば

体に力をつける、生活習慣病を防ぐ

血を補い、体力を増強する

さばには体のもとをつくるタンパク質や、活動のエネルギー源となる脂質、体に抵抗力をつけるビタミンB2などが豊富に含まれています。体に元気をつけたり、血を補うはたらきがあって、長く病気を患って体力が衰えてしまった人や、妊産婦さんの栄養補給にぴったりです。また、食が細く痩せている、疲れやすく体力がない、体がとても冷える、寝つきが悪い、神経が衰弱していて動悸がする、物忘れがひどい、といったような症状がある人が常食すると、症状の改善に役立ちます。

不飽和脂肪酸のEPA・DHAがたっぷり

さばに豊富に含まれている脂質は、常温で液体の状態の不飽和脂肪酸、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。EPAとDHAは青魚全般に多く含まれていて、血合いと呼ばれる赤黒い部分に特に豊富です。血合いには、ほかに鉄分やナイアシン、タウリンなどの栄養素も含まれています。

EPAには、血液を固まりにくくして血管を丈夫にし、血栓ができるのを防ぐはたらきがあります。動脈硬化や心臓疾患といった生活習慣病の予防に効果を発揮するのです。そして、DHAには脳のはたらきを活発にする作用があって、集中力や記憶力を高めます。また、ガン細胞を増殖させる成分の生成を抑制するはたらきもあります。

ナイアシンやタウリンは、血中コレステロールを低下させ、インスリンの合成や機能を高め、糖尿病の予防にも良いです。
増血作用のある鉄分は、貧血を防ぎ、冷え性、めまいや動悸を改善していきます。

さばにプラスすると効果的な食材

さばと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • ニンジン、ピーマン、パセリ、レモン、梅
    ▶体力を増強する、疲労を回復する
  • たまねぎ、アスパラガス、ごぼう、ひじき、豆腐
    ▶動脈硬化、脳卒中を予防する
  • ブロッコリー、モロヘイヤ、ネギ、ショウガ
    ▶冷え性、貧血を改善する

食べ方のポイント

『さばの生き腐れ』という言葉があるほど、早く傷みやすい魚です。新鮮に見えても内部が傷んでいることがあるので、丸ごと一匹を買う時は、目が澄んでいて、模様が鮮やかなものを選びましょう。
独特の生臭さは、調理する1時間ほど前に塩を振って水分を抜いておくことで消すことができます。

アジ

EPAたっぷりで血栓を防ぐ

鯵(アジ)は魚介類の中でも、タンパク質、カルシウム、ビタミンB1などがバランス良く含まれたヘルシーな魚です。イワシなどの他の青魚と比べるとサッパリした味わいですが、旬を迎えると脂がのってコクが増します。さんまやサバなど青魚や脂がのった魚には、不飽和脂肪酸のEPAが豊富です。

カルシウム、カリウム、DHAも豊富

骨や歯を作るのに欠かせないカルシウムの含有量が多く、さらに体の成長と細胞の再生を助けるビタミンB2、脳の働きを活性化させるDHAも豊富なので、育ち盛りの子供におすすめです。

カルシウムは、感情をコントロールし、イライラする気持ちを抑えるはたらきがあるといわれています。同じように、不足するとイライラしたり不眠になるといわれているビタミンB1も豊富なので、ストレスの予防のためにも積極的に食べたい食材です。ほかに、体内の塩分を排出するはたらきがあって高血圧の予防が期待できるカリウムも、魚類の中では多く含まれています。

EPAが血液をサラサラにする

血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが高くなったり、血糖値が上がると、血液は粘り気を増しドロドロになります。この状態を改善し、動脈硬化や高血圧症などの症状を予防するのには、EPAとDHAどちらも有効なのですが、その働きかけは違います。
EPAは、高い血小板凝集抑制作用によって血栓をつくらせないことで血流を良くします。DHAのほうは、血管や赤血球の細胞膜をやわらかくして血流を促します。血栓を防いで血液を潤滑にする効果は、EPAのほうが高いのです。

アジにプラスすると効果的な食材

アジと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • 大根、たまねぎ、しそ、ショウガ、ねぎ
    ▶動脈硬化、脳卒中を予防する
  • みつば、らっきょう、酢
    ▶心臓病を予防する
  • レモン、セロリ、ショウガ、ねぎ
    ▶老化を防止する

食べ方のポイント

EPAを損なわずに摂取するためには、刺身など生のまま食べるほうが良いです。ただ、アジはクセがないので、塩焼きにしても煮てもおいしく、トマトソースで軽く煮込むなど洋風の味つけにも合います。

鮮度が落ちやすい魚なので、買ってきたらできるだけ早く、新鮮なうちに食べたほうが良いです。それが難しい時には、内臓を出してきれいに洗い、水分をしっかりときって冷蔵保存しましょう。日もちさせるには、揚げてから、酢、醤油、砂糖などの調味料に漬け込む『南蛮漬け』にすると一週間程度もちます。

かに

キチン質が免疫力を高め、ガンを予防する

殻に含まれるキチンがガンや生活習慣病を予防する

かにやえびといった節足動物や甲殻類の殻には、ムコ多糖類のキチンが豊富に含まれています。食材ではほかに、軟体動物であるイカの軟骨や、きのこなどの菌類にも含まれている不溶性食物繊維です。
私たちの体から、LDL(悪玉)コレステロールや有害物質を取り除く作用があって、便秘や脂質異常症、さまざまな生活習慣病やガンなどを予防するのに効果的だといわれています。

免疫力を高める「キチン・キトサン」

甲殻類の殻からタンパク質、カルシウムなどを取り除いて精製されたキチンは、さらに化学処理を施すことでキトサンに変化します。その過程でキチンとキトサンが混ざり合った状態になるので、両方を合わせて「キチン・キトサン」と呼ばれます。キチンは水や酸に溶けない性質ですが、キトサンに変化すると水には溶けないまま、胃酸には溶ける性質を持ちます。

キチン・キトサンには、免疫力を高める効果があります。マクロファージという免疫機能を担う細胞を活性化させ、体内に侵入した細菌・ウイルスや、死んだ細胞を捕食して消化します。悪性腫瘍(ガン)になる前段階の細胞をガン化しないよう防いだり、ガン化してしまった細胞の発育を抑制し、転移を防ぎます。

コレステロールを減らし、老化を防ぐ

かにには、コレステロールを減らす、血圧を正常に保つ、動脈硬化を防ぐなど生活習慣病の予防が期待できるタウリンが含まれています。タウリンは缶の中の汁にも溶け出ているので、かに缶を利用するときには汁ごと使うのがよいです。

かにを茹でると赤くなるのは、アスタキサンチンという色素が含まれているためで、このアスタキサンチンには強力な抗酸化作用があって、免疫力の強化や老化予防などの効果に期待できます。かにみそや卵には細胞を活性化させる核酸が含まれているので、合わせて老化を防ぐのに役立ちます。

ただし、甲殻類の食品アレルギーの人はかにやえび由来のキチン・キトサンを摂取した場合にアレルギー症状があらわれる可能性があるため、摂取を避けたほうがよいでしょう。また、食物繊維であるキチン・キトサンは消化されにくい性質で、胃腸の弱い人が摂りすぎると下痢や腹痛などを引き起こすことがあるので注意が必要です。

かににプラスすると効果的な食材

かにと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • さつまいも、モロヘイヤ、せり、うど、枝豆
    ▶炎症の沈静化、腫れや痛みを和らげる
  • かぶ、しいたけ、えのきだけ
    ▶発ガン、転移を防ぐ
  • トマト、しいたけ、昆布、サケ
    ▶動脈硬化を防ぐ

食べ方のポイント

かにといえば濃厚な味のみそもおいしいものですが、傷みやすく、漁獲されてから時間が経つと臭みが出てくるので、できるだけ新鮮なうちに食べるようにしましょう。

さんま

子供からお年寄りまで家族みんなで食べたい魚

さんまは体を元気にする栄養素の宝庫

さんまには、良質なタンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラルがたっぷりと含まれています。胃腸のはたらきを活発にして、疲れをとり、体を元気にしてくれる栄養素の宝庫なのです。

そんなさんまは日本人には馴染みの深い魚で、江戸時代から人々に食べられ、親しまれてきたといいます。

秋のさんまはDHA・EPAがたっぷり

さんまの旬といえば秋。回遊魚であるさんまは、旬には脂が乗って一番おいしく、栄養価も高くなります。この脂に含まれているのが、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)という不飽和脂肪酸です。

DHAは脳の発達や維持に欠かせない栄養で、記憶力や判断力を高めることが知られています。さらに、脳の老化を防いでボケを予防します。EPAは血液をサラサラにして動脈硬化を予防し、DHAとの相乗効果で、高血圧や心臓病、脳血管疾患などといった生活習慣病を予防するのに効果的だといわれています。

こうしたことから、DHAとEPAの両方が豊富に含まれているさんまは、育ち盛りの子供はもちろん、アルツハイマー病の予防にもなるので中高年の人にも大切な栄養です。

良質なタンパク質やビタミンを含む

さんまに含まれるタンパク質は、タンパク価が高く、質も量も共に優れています。筋肉をつくる良質なタンパク質です。

さらに、骨や歯を丈夫にするカルシウムや、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれています。肝であるワタが好きという人もいると思いますが、このワタにはビタミンAが含まれていて、体に抵抗力をつけたり、肌に潤いを与えてくれます。ビタミンB12や鉄分も含まれているので、貧血の予防にも良いです。

さんまにプラスすると効果的な食材

さんまと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • えび、ほたて貝、昆布、味噌
    ▶学習能力を高める、老化を予防する
  • あぶら菜、みつば、ショウガ、ネギ、昆布
    ▶血栓を予防する
  • 大根、しいたけ、ショウガ、ネギ、梅干し、レモン
    ▶胃腸のはたらきを高める

食べ方のポイント

さんまの塩焼きには大根おろしがつきものですが、大根に含まれるアミラーゼという酵素には、焼き魚の焦げ部分に微量に含まれる発ガン性物質を分解するはたらきがあります。また、大根にはさんまに含まれないビタミンCが豊富なので、栄養的にも良い組み合わせです。

カキ

肝機能の強化や味覚の正常化に働く

栄養価に優れた食材

牡蠣(かき)といえば、「海のミルク」とも呼ばれるほど栄養価の高い食材として知られています。その栄養価については、ビタミンB1やB2、カルシウム、鉄や亜鉛などミネラル類が豊富です。そのほか糖質も多いのですが、そのほとんどはグリコーゲンという旨み成分が占めています。グリコーゲンは、体内では通常肝臓に貯蓄されていて、エネルギーが不足するとスタミナ源となり、疲労回復や虚弱体質の改善に効果をあらわす成分です。カキのタンパク質はほかのさまざまな魚介類と比較すると少なめではありますが、このタンパク質は、必須アミノ酸が含まれた良質なものです。

豊富なミネラル類が丈夫な体をつくる

カキは、さまざまな食材の中でも特に亜鉛を豊富に含んでいます。亜鉛には細胞が成長するのをサポートする働きがあって、これが不足すると成長障害や味覚の異常などが起こる可能性があります。

鉄や銅には血液を増やして内臓の栄養不足を補う作用があります。もともと体の弱い人や長い期間病気を患っている人、貧血のある人などに良いです。

肝機能を強化する

アミノ酸の一種であるタウリンは、中性脂肪を減らし、LDL(悪玉)コレステロールを抑制する胆汁の分泌を促し、肝臓の働きを活発にします。動脈硬化を防いで、血圧を正常に保ち、心臓の負担を軽くするのにも効果的です。また、アルコールの毒を消し、のどの渇きを癒やすので、二日酔いや悪酔いを防ぎます。

 → 二日酔いには解毒作用のあるシジミも効きます。

カキにプラスすると効果的な食材

カキと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • ブロッコリー、ごま、豆腐、牛乳
    ▶虚弱体質を改善する
  • じゃがいも、ほうれん草、栗、牛乳、えび
    ▶体を成長させ、知能を高める
  • かぶ、トマト、ほうれん草、セロリ、牛乳
    ▶肝機能障害を改善する、二日酔いを防ぐ
  • トマト、わさび、昆布、海苔、味噌
    ▶高血圧、心臓病を予防、改善する

食べ方のポイント

フライや鍋の具としておいしいですが、栄養成分を活かすには生で食べるのが最適です。レモン汁や酢、ショウガと一緒に食べると、効能を高めるとともに中毒を防ぎます。
冷え症の人は生ガキを食べ過ぎると余計に体が冷えるので注意が必要です。

タイ

体力と気力を充実させる

タンパク質が豊富で脂肪が少ない魚

鯛(タイ)は、高タンパクで低脂肪の白身魚です。味はあっさりと淡泊で消化吸収が良いので、胃腸が弱っている時や体力が落ちている時、小さな子供やお年寄りにもおすすめの食材です。脂肪分が少ないため鮮度が落ちにくく、鮮度が落ちても分解されにくい性質のイノシン酸が含まれているので、腐敗の進行を遅らせ味が落ちるのを防ぎます。

疲労を回復させ体に力をつける

タイは胃腸をあたためて調子を整え、気力を充実させるはたらきがあります。これは、白身魚に多く含まれているタウリンの効能によるものです。タウリンには疲労回復の作用があって体を元気にするはたらきが強いのですが、ほかにコレステロールを低下させる作用などもあり、視力の回復、高血圧や肝臓病の予防にも効果的です。

うまみ成分であり核酸の一種であるイノシン酸が有効な活力源となって、細胞の再生にとても役立ち、老化防止になります。また、真鯛(マダイ)の皮の赤い色はアスタキサンチンという色素成分で、これには抗酸化作用があり、免疫力を高めます。

胃腸を丈夫にする

カルシウムの吸収を良くするビタミンDやマグネシウム、増血に必要な鉄分の吸収を良くする銅、ガンができるのを抑制するゲルマニウムやセレニウムなども含まれています。
これらの栄養成分の総合的なはたらきによって、増血作用が発揮され、常食することで肌の血色が良くなり、胃腸を丈夫にします。
腎臓の機能を高めるはたらきもあって、むくみを改善します。

ナイアシンは、胃腸のはたらきを良くするほか、コレステロールを減少させるはたらきもあって、血圧を下げ動脈硬化を防ぎます。

タイにプラスすると効果的な食材

タイと次の食材の食べ合わせで、それぞれの健康への効果に期待できます。

  • 山芋、にんにく、梅、ぶどう、酢
    ▶体を強く元気にする
  • 大根、ネギ、カボチャ、栗
    ▶胃腸を強くする
  • かぶ、レンコン、ネギ、ショウガ、にんにく
    ▶冷え症・貧血を改善する
  • アスパラガス、ニンジン、大豆、ほたて貝、ごま、酢
    ▶高血圧を改善する

食べ方のポイント

蒸して、わさびやショウガを一緒に摂ると食欲が出るし、消化が良くなって、いっそう元気が出ます。